明の天啓年間、未曽有の天変地異が都を襲った。石の雨が降り注いで建物は崩れ、数え切れぬ死傷者が――。この大異変からさかのぼること1年前、宮中で起こった謎の盗難事件が都を騒がせていた。人間とも物の怪ともつかない白衣の怪人“妖狐”が、軍用金50万両を瞬く間に盗み去ったのだ。その姿を見た者は、魂が抜かれたように前後不覚になってしまったのだという。そんな怪事件に揺れる宮中に、再び白衣の怪人が現れた。“妖狐”を追っていた快刀門の捕吏・陸小歓(りく・しょうかん)は相手を追い詰めるが、侍衛たちに侵入者と勘違いされてしまう。挙句の果てに小歓は、“妖狐”と一緒に侍衛から追われる羽目に。この“妖狐”、意外なことに歳の頃は小歓と同じくらいで、美しい顔をした娘である。彼女は軽功の名人である東方勝(とうほう・しょう)の弟子・東方楽(とうほう・らく)だと名乗り…。

歓楽無双~恋する事件帖 第30話

歓楽無双~恋する事件帖 第30話

銀子の窃盗事件、そして陸小歓(りく・しょうかん)と黄小魚(こう・しょうぎょ)の体の自由を奪った”定身術”には、金箔草の毒が関わっていることが判明した。しかし2人には、毒を飲まされた心当たりなどない。試しに体内の金箔草の毒を検出できる丸薬を飲んでみたところ、快刀門の面々ばかりか嘉慶(かけい)公主までもが毒を飲んでいたことが明らかに。この結果から、毒は宮中で盛られたのではないかと、東方楽(とうほう・らく)は推理し…。

歓楽無双~恋する事件帖 第31話

歓楽無双~恋する事件帖 第31話

宮中で何者かにさらわれた陸小歓(りく・しょうかん)は、どことも分からない牢獄の中に閉じ込められていた。彼女を連れ去った一団の首領は、東方楽(とうほう・らく)が謀反人として処刑された汪文言(おう・ぶんげん)の娘・明珠(めいしゅ)ではないのかと小歓に尋ね、楽を告発する書状に署名をしろと迫るのだった。一方、快刀門の面々は、小歓の行方をつかむことができず途方に暮れていた。楽は、焦る気持ちから周囲に辛く当たってしまい…。

歓楽無双~恋する事件帖 第32話

歓楽無双~恋する事件帖 第32話

陸小歓(りく・しょうかん)の告発状を手に、快刀門へと押し寄せた官兵たち,人気ドラマDVD。そこには東方楽(とうほう・らく)の正体が逆賊・汪明珠(おう・めいしゅ)であると記され、小歓自身の手形も押されていた。身に覚えのない小歓は誤解を解こうとするが、兵たちは楽へと迫る。それを見た李江湖(り・こうこ)は、楽の手を引いてその場を逃れるのだった。しかし、すぐに追っ手が。意を決した江湖は、楽の目の前で皇帝の令牌を取り出し…。

歓楽無双~恋する事件帖 第33話

歓楽無双~恋する事件帖 第33話

上官諸侯(じょうかん・しょこう)の首元に匕首を突きつけ、「死んでもらう」と言い放った東方楽(とうほう・らく)。そこに現れた陸小歓(りく・しょうかん)は、「門主を殺すなんて許さない」と、説得を試みる。だが、楽――汪明珠(おう・めいしゅ)は考えを変えず、それどころか金無花(きん・むか)が、さらに手下を引き連れた林小玉(りん・しょうぎょく)までもがやってきて、小歓たちは絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう…。